家族の連鎖、未来への暗示の言葉
「小さい子にはどのような質問を心がければよろしいのでしょうか?」
「親は、無意識で、未来誘導してしまう」という投稿に質問をいただきました。
インナーチャイルドセラピー的にお話させて頂きたいと思います。
私個人としては、子育てに「これは正解ですよ」というものはなく、
親御さんの創造性を存分に生かされたら良いと思っています。
「どのような質問か」というよりも
その子の感じたままをただ受け止めてあげる。
最近のママやパパはよくわかっていらっしゃるので、
お子さんが
「大きくなったら、○○になりたい!」
と言ったら、
「そうなんだ、○○になりたいんだね。」
と上手に、お子さんの気持ちをそのまま受け止めていますね。
しかし、セラピーにいらっしゃるクライアント様の場合は、
小さな時に親や兄弟、先生から、
「無理だよ、難しいよ。なれるわけないでしょ。」
「お前は無理!」
と笑われたり、誰かの否定的な言葉に傷つき、
「自分はダメなんだ」と信じてしまったり、
「自信がない自分は嫌い」とおっしゃいます。
大人や家族は、ほんの冗談のつもりで軽く言ってしまったりするのですが、
子どもは
「違う、違う、私(僕)はなれるんだ!」
とその時は主張できても(主張できなくても)子どもはそれを否定しきれずに
「私(僕)はできない子なんだ。」
と、心に焼き印を押されたようになります。
その後、成長していく中で、言われたことを忘れたとしても
なにか自分が間違えたり、失敗したり、問題が起きた時に
「やっぱり自分はダメなんだ。」
と思いやすくなります。
未来誘導と言っているのは、
未来へ影響するような暗示の言葉をかけてしまっている
ということです。
逆にそれを跳ね返そうと頑張れる人もいますが、そういう方でも
「小さい頃に言われたことはずっと心に引っかかっている。」
とおっしゃる人もいます。
そういう否定的な言葉をつい、言ってしまう親や兄弟、先生も実は、
その人も親や誰かからそういう風に言われた人 なのだと思います。
そうやって、良いことも良くないことも
世代間連鎖、家族の連鎖として、親から子どもへと
引き継がれていくようです。
インナーチャイルドセラピーでは、そのような良くない家族の連鎖を
断ち切り、新しい良い連鎖を作ります。
ですから、子どもが問題を起こしたときは
子どもをを変えようとするのではなく、
親が変わると子どもや家族全体が変わっていくのです。
問題を起こした個人が問題なのではなく、
家族システムのゆがみや問題を表現している人ととらえます。
それは家族療法、家族システムの考え方です。
子どもへの言葉がけは、神経質になる必要はなくて、
子どもを同じ人として尊敬して、自分が言われたら嫌なことを言わない
普通の接し方でよいのではと個人的には思います。
「質問や言葉がけは未来への暗示になる」
ということを知っていれば、
ご自身の体験や創造力を活かして、 きっと勇気が出る言葉がけや質問が自然にできると思います。
何かのヒントになりましたら幸いです。